全ての人が尊厳ある自立した生活を送るために

介護職なら知っておきたい障害者自立支援法

障害者自立支援法とは

自立のために必要な就労のサポートも手厚い

障害者の自立という課題

障害者の自立という課題

ひとりひとりがその人らしく自立した生活を送るうえで、持てる力を適正な環境で最大限発揮できる「就労」は非常に重要なポイントです。現状、授産施設を出て働きたいと考えている障害者は決して少なくない割合で存在していますが、実際に施設を出て仕事に就くことができたのは全体のほんの一部にとどまっており、最適な環境が整えられているとは言い難い状況です。
2006年から施行された障害者自立支援法ではこの状況を改善するために、三障害の一元化、サービス体系の再編、支給手続きの透明化・明確化、障害者の就労支援施策の充実に取り組むことが定められました。

就労支援のための二つの事業

障害者自立支援法が施行される以前は、障害の種別ごとに施設・事業体系が分かれていましたが、障害者のニーズや状態に応じた最適なサポートを行うことができるように、この体制を見直すことを決めています。このうち、就労支援を主な目的として作られたのが就労移行支援と就労継続支援のふたつです。
就労移行支援事業とは、授産施設を出て働きたいと希望している障害者であり、今後の知識や能力の向上・実習などを通してその人の適正に合った職場で働くことができると見込まれる人に対して、事業所内で作業訓練や職場実習を行ったり、就職後の職場定着支援などを実施して一般企業での就労を目指すものです。
就労継続支援とは、現段階では一般企業や通常の事業所への就労ができなかったり難しかったりする人に対して、就労の機会を提供し、生産活動に必要な知識や能力の向上のための訓練を行うものです。現在、雇用契約を結んで給料をもらいながら利用するA型と、主産的な活動を行うB形が存在しています。
厚労省の発表では、平成23年度の全国におけるふたつの事業の利用者数は、就労移行支援4万人、就労継続支援(A型)4万人、就労継続支援(B型)8万人でした。こうした施設から一般就労が可能になった利用者も少しずつ増えていますので、さらに充実したフォローが重要であると考えられています。

それぞれに合ったサポートができているか

障害者自立支援法に代表されるように、国レベルで障害者の自立について取り組んでいる状況ではありますが、サポートが必要な人たちにとって本当に効果的なものにしていくためには、それぞれに合ったものを選べる体制を整えることが重要です。また、一度挑戦して失敗してしまった場合にも再チャレンジできるような環境作りも求められています。このために、福祉関係者のみならず教育関係者や各行政関係者、ハローワークの担当者などが連携して今後のよりよい体制づくりを進めています。

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