「ノーマライゼーション」という考え方
それぞれに合ったサポートで自分らしく生きる
全ての人が「当たり前のことを当たり前に」
ノーマライゼーションという考え方についてご存知でしょうか。実は普段の暮らしの中でもこの考え方に基づいた製品が見られるようになってきており、世界共通の考え方であり今後さらに広がっていくことが予想されています。
ノーマライゼーションとは、障害のあるなしに関わらず全ての人にとって「当たり前のことを当たり前に」実現できる社会を目指そうという考え方です。例えば、基本的人権が尊重されていること、自分の意志で行動すること、ひとりの人間として一生成長していくことなどを、自然にできるようにしようというものです。一見簡単なことのように思えますが、身体的・精神的サポートを必要としている人がそれを受けることができない場合、この「当たり前」を実現することができなくなってしまうのです。
その人らしく生きる権利
ノーマライゼーションはシンプルで受け止めやすい考え方ではありますが、正しく理解していなければ本来の目的に向かっていくことができません。誤解を招きやすい点として挙げられるのは、「人間を正常にする」ためのものではないということです。障害を持った人の行動を障害のない人に合わせても、その人らしい「当たり前」を実現することにはならないからです。またその逆に、障害を持つ人へ特別な支援はしない、ということでもありません。目が悪ければ眼鏡の力を借り、重いものを持つのが大変な時には周りの人間が協力し、といったように、障害のある人にもそれぞれに合ったサポートを準備することによって、不自由なく多様性と選択性のある暮らしを送ることができるようにしようという考え方なのです。
最適な環境を整えるということ
今では世界的に広まっているノーマライゼーションという考え方ですが、その目的は全ての人が完璧に自立できるようにするためのものではありません。ひとりひとりの障害や能力に合わせたサポート体制や環境を整えることを目指したものであり、それぞれが当たり前の権利を行使しその人らしい生活を送ることが本来の目的です。つまり、軽微な障害に対しては無視してもいいというものでもありませんし、重複障害者に対しては当然多くのサポートが必要になります。
日本でも、教育の現場や就労環境において少しずつ対策がなされ始めています。一見関係のないように思えるものでも、ノーマライゼーションの考え方に基づく製品やサービスは私たちの生活のなかで着実に増えていっているのです。全ての人がその人らしい生活を送ることができるよう、ひとりひとりの正しい理解と判断が求められています。
- ノーマライゼーションとは?
- こちらのサイトでは、ノーマライゼーション誕生の歴史や概要、日本での現状について詳しく知ることができますので、ぜひ参考にしてみてください。