発達障害とは

発達障害は外見からはわかりにくい障害です。脳の機能に生まれつき偏りがあり、得意な部分と不得意な部分の差が激しいため、周りの人とうまく関われなかったり環境になじめなかったりして社会生活に困難が発生します。その症状はそれぞれで異なるため、発達障害の児童を自分勝手だと捉えたり、親の育て方が悪いと批判したりといった悲しい誤解が生じてしまうことも少なくありません。
ですが、得意・不得意のギャップから生じる様々な困難は、それぞれの特徴に合わせた教育や環境を用意することで軽減されると言われています。児童本人や周囲の人が、どんな能力がありどんな個性があるのか、そしてどういった希望を持っているのかを理解し、その状況に合ったサポートを提供することによって、社会での生きにくさは軽くしていくことができるのです。

児童の状況に合わせた早期の支援がポイント

幼いうちからサポートを行うことによって、児童本人や周囲もその特性を理解し、環境を整えたり対応方法を考えたりすることができるので、自信をなくしてしまうような失敗を防いだり新たな障害を併せ持ってしまったりする可能性を軽減することができます。それぞれの発達段階や課題に違いがあるのは当然のことですので、状況に合わせたアプローチで社会的な自立を目指して治療・教育していくことが大切です。
発達障害を持った児童にも、その子らしく自立した生活を送っていけるスキルを身に着けるための様々なサポートが用意されています。

可能性を伸ばし生きにくさをサポートする様々なサービス

幼いうちからのサポートが大切とお伝えしましたが、幼児教室や学習塾の中には発達障害を持った児童に向けたサービスを提供しているところもあります。それぞれ運動能力や、コミュニケーションに関するスキルなど、力を入れている部分が異なりますので、教室ごとの特徴を知ったうえで利用してみるとよいでしょう。障害児福祉サービスの通所受給者証がなくても通うことができます。
また、未就学児向けの児童発達支援や、学童期になってからの放課後等デイサービスは、障害児福祉サービスの通所受給者証が必要で、これを取得すると国や自治体からの給付を受け、自己負担額1割でサポートを受けられるようになります。こちらに関しても事業所によって特徴が違いますので、それぞれの個性や生活スタイルにあったところを選ぶ必要があります。まだ未診断であったりグレーゾーンでも利用できる場合がありますので、詳しくは各市町村の子育て支援窓口や福祉窓口に相談してみると良いでしょう。
サポートが必要な児童を支えるサービスは色々なものがありますが、やはり子どもにとって一番重要なのは親との関り方です。発達障害を抱えた我が子にどう接したらよいのか、どんな環境を整えるべきなのか、そういった悩みや迷いを持った保護者へ向けたペアレントトレーニングというサポートもあります。保護者がその子どもに合ったほめ方や対処法を学ぶことが目的で、家庭でもその他のサポートで習得したものを引き出しやすくなると言われています。